【徹底解説】軽鉄ボード工事とは?メリット・デメリットから施工の流れまで 

近年、住宅や店舗のリフォームで注目を集めているのが「軽鉄ボード工事」です。石膏ボードよりも強度や耐久性に優れ、施工性も高いことから、幅広い用途で採用されています。

しかし、軽鉄ボード工事について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、【徹底解説】軽鉄ボード工事とは?メリット・デメリットから施工の流れまでと題し、軽鉄ボード工事の基本から、知っておきたいポイントまでを詳しく解説します。


≪目次≫

・軽鉄ボード工事とは?

・軽鉄ボード工事のメリット

・軽鉄ボード工事のデメリット

・軽鉄ボード工事の施工の流れ

・軽鉄ボード工事の費用

・まとめ


■鉄ボード工事とは?

軽鉄ボード工事とは、軽量鉄骨(軽鉄)と石膏ボードを組み合わせた下地を用いて、壁や天井を造作する工事のことです。近年、住宅や店舗のリフォームで注目を集めており、その理由は、石膏ボードよりも強度や耐久性に優れ、施工性も高いという点にあります。


・軽鉄ボード工事の概要

軽鉄ボード工事は、主に以下の手順で行われます。

下地作り: まず、床や壁に軽量鉄骨を組み、下地を作ります。軽量鉄骨は、鋼板をプレス加工して製造した板状の建材で、強度と耐久性に優れています。

軽鉄ボードの取り付け: 次に、軽量鉄骨に石膏ボードを取り付けます。石膏ボードは、石膏を紙で挟んだ板状の建材で、耐火性や遮音性に優れています。

ジョイント処理: 石膏ボードの継ぎ目には、パテやテープを使って隙間を埋めます。

仕上げ: 最後に、壁紙や塗装などの仕上げ材を施します。


・軽鉄ボードの種類と特徴

軽鉄ボードには、主に以下の種類があります。

石膏ボード: 最も一般的なタイプの軽鉄ボードです。耐火性や遮音性に優れており、幅広い用途で使用できます。

遮音ボード: 騒音対策に効果的な軽鉄ボードです。石膏ボードよりも厚く、内部に吸音材が入っています。

耐火ボード: 火災に強い軽鉄ボードです。石膏ボードよりも耐火性に優れており、防火区画の壁などに使用されます。

湿気対策ボード: 湿気に強い軽鉄ボードです。水回りの壁などに使用されます。


・軽鉄ボード工事の用途

軽鉄ボード工事は、主に以下の用途で使用されます。

住宅: 壁、天井、間仕切りなど

店舗: 壁、天井、什器など

オフィス: 壁、天井、間仕切りなど

病院: 壁、天井、診察室など

学校: 壁、天井、教室など

軽鉄ボード工事は、様々な用途に対応できる汎用性の高い工事です。



■軽鉄ボード工事のメリット

軽鉄ボード工事は、石膏ボードよりも強度や耐久性に優れ、施工性も高いことから、近年注目を集めています。しかし、軽鉄ボード工事のメリットはそれだけではありません。ここでは、軽鉄ボード工事の主なメリットを5つご紹介します。



・強度と耐久性

軽鉄ボードは、鋼板をプレス加工して製造した板状の建材です。石膏ボードよりもはるかに強度が高く、地震や衝撃に強い壁や天井を作ることができます。また、耐久性にも優れており、長年使用しても劣化しにくいという特徴があります。


・防火性

軽鉄ボードは、不燃材料で構成されているため、高い防火性を誇ります。火災が発生した場合でも、延焼を抑制し、被害を最小限に抑えることができます。特に、住宅や店舗、オフィスなどの建物の安全性を高める上で重要な役割を果たします。


・遮音性

軽鉄ボードは、石膏ボードよりも遮音性に優れています。騒音対策に効果的な軽鉄ボードを使用することで、室内外の騒音を効果的に遮断することができます。特に、住宅や店舗、オフィスなどの建物の静粛性を高める上で役立ちます。


・施工性

軽鉄ボードは軽量で加工しやすいという特徴があります。そのため、施工が容易で、工期を短縮することができます。また、現場での作業時間を短縮できるため、騒音や粉塵の発生を抑えることができます。


・コストパフォーマンス

軽鉄ボードは、石膏ボードよりも高価ですが、強度や耐久性、遮音性などを考慮すると、コストパフォーマンスが高いと言えます。特に、長期的な視点で考えると、軽鉄ボード工事の方が結果的に費用を抑えることができる場合があります。



■軽鉄ボード工事のデメリット

軽鉄ボード工事は、強度や耐久性、遮音性などに優れている一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、軽鉄ボード工事の主なデメリットを4つご紹介します。



・重量

軽鉄ボードは、石膏ボードよりも重量があります。そのため、建物への負担が大きくなります。特に、木造住宅の場合、軽鉄ボード工事によって構造体に負荷がかかり、地震などの災害時に被害が拡大する可能性があります。


・結露

軽鉄ボードは、結露しやすいというデメリットがあります。結露は、カビやダニの発生原因となるだけでなく、建材の劣化にもつながります。特に、冬場や湿度の高い場所では、結露対策が必要となります。


・コスト

軽鉄ボードは、石膏ボードよりも高価です。そのため、軽鉄ボード工事全体のコストが石膏ボード工事よりも高くなります。特に、大規模な工事の場合、費用差が大きくなります。


・デザイン性

軽鉄ボードは、石膏ボードよりもデザイン性に劣ります。軽鉄ボードは、基本的に平らな板状の建材なので、曲線などの複雑な形状を作ることはできません。そのため、デザイン性にこだわりたい場合は、他の建材を検討する必要があります。


■軽鉄ボード工事の施工の流れ

軽鉄ボード工事は、主に以下の4つの工程で進められます。


・下地作り

床や壁に墨出しを行う: まず、床や壁に軽鉄ボードを張る位置に墨出しを行います。墨出しは、水平・垂直を正確に確認する重要な作業です。


軽量鉄骨を組み立てる: 次に、軽量鉄骨を組み立てるためのハンガーを設置します。ハンガーは、天井や床に固定し、軽量鉄骨を支える役割を果たします。


軽量鉄骨をランナーに固定する: ランナーは、軽量鉄骨を横方向に支える部材です。ハンガーに設置したランナーに、軽量鉄骨をビスで固定していきます。


スタッドをランナーに固定する: スタッドは、軽量鉄骨を縦方向に支える部材です。ランナーに設置したスタッドに、軽量鉄骨をビスで固定していきます。


・軽鉄ボードの取り付け

軽鉄ボードをカットする: 軽鉄ボードは、必要な大きさにカットします。カットには、専用の工具を使用します。


軽鉄ボードをランナーに固定する: カットした軽鉄ボードを、ランナーにビスで固定していきます。


ビスの打ち方を調整する: 軽鉄ボードを固定するビスは、適切な間隔で打つ必要があります。ビスの打ち方を調整することで、軽鉄ボードの仕上がりを美しくすることができます。


・ジョイント処理

軽鉄ボードの継ぎ目にパテを塗る: 軽鉄ボードの継ぎ目には、パテを塗って隙間を埋めます。パテは、専用の道具を使用して塗り込みます。


テープを貼る: パテが乾燥したら、テープを貼って補強します。テープは、軽鉄ボード専用のものを選びます。


パテを再度塗る: テープを貼ったら、再度パテを塗って表面を平らにします。パテは、サンドペーパーで研磨して仕上げます。


・仕上げ

壁紙や塗装を施す: 軽鉄ボードに壁紙や塗装を施して仕上げます。壁紙や塗装の種類は、用途や好みに合わせて選ぶことができます。


コーキングを行う: 必要な箇所には、コーキングを行って防水性を高めます。コーキングは、専用のガンを使用して行います。


■軽鉄ボード工事の業者選び

軽鉄ボード工事は、専門的な知識と技術が必要となるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。ここでは、軽鉄ボード工事の業者選びのポイントと、優良業者を見分ける方法をご紹介します。


・業者選びのポイント

軽鉄ボード工事の経験と実績が豊富な業者を選びましょう。経験豊富な業者は、様々な現場に対応することができ、高品質な工事を提供することができます。

また軽鉄ボード工事には、施工に携わる職人が取得すべき資格があります。業者の担当者がこれらの資格を持っていることを確認しましょう。


工事には、保証制度が設けられている場合があります。保証内容をしっかりと確認し、万が一の場合にも安心できる業者を選ぶことも重要になります。

見積もりに関しては複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。見積もりには、工事内容だけでなく、材料費や人件費なども明記されていることを確認しましょう。


・優良業者の見分け方

問い合わせや見積もり依頼に対して、丁寧に対応してくれる業者を選ぶようにし、工事内容や見積もり内容などを、分かりやすく説明してくれる業者を選ぶようにするよう良いです。


また、安全対策を徹底している業者を選ぶことでトラブル回避に繋がります。


■まとめ

軽鉄ボード工事には、メリットだけでなくデメリットも存在します。重量や結露、コスト、デザイン性など、デメリットを理解した上で、ご自身のニーズに合った工事内容を選ぶことが重要です。


また軽鉄ボード工事は専門的な知識と技術が必要となるため、信頼できる業者を選ぶ必要があります。業者選びの際には、経験と実績、資格、保証内容、見積もり内容、評判などを参考にしましょう。


適切な業者に依頼することで、高品質な仕上がりを実現することができます。今回ご紹介した内容を参考に、軽鉄ボード工事について理解を深め、理想の空間を実現してください。